こんにちは。静岡県東部を中心に舗装工事、土木工事、外構工事を手がけております、株式会社矢部工務店です。「冬場でも舗装工事はできるのか?」「寒い時期の工事で注意すべき点は何か?」といったご質問を、お客様からいただくことがございます。
静岡県は比較的温暖な気候で知られていますが、冬季の舗装工事には特有の技術的課題と安全上の配慮が必要です。適切な施工管理を行うことで、冬季でも高品質な舗装工事を実現することができます。
今回は、舗装工事のプロフェッショナルとして、静岡県における冬季舗装工事の実施可能性と、品質確保のための具体的な対策について詳しく解説いたします。冬季の工事をご検討の方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

1. 静岡県の冬季気候条件と舗装工事への影響

静岡県の冬季は全国的に見れば温暖ですが、舗装工事を行う上では無視できない気候的制約があります。特に気温、湿度、降水量が舗装材料の性能と施工品質に大きく影響します。

■ 気温が舗装材料に与える影響

静岡県の12月から2月の平均気温は7~12度程度ですが、早朝や夜間は氷点下近くまで下がることがあります。アスファルト舗装では、混合物の温度が110度以下になると締固めが困難になり、品質低下の要因となります。

平均気温(度)
最低気温(度)
施工可能時間
12月
11.2
4.8
9:00~15:00
1月
8.6
1.9
10:00~14:00
2月
9.8
2.8
9:30~15:00

「参照:気象庁」

■ 湿度と降水量の考慮事項

静岡県の冬季は太平洋側気候のため、比較的乾燥していますが、時として低気圧の通過により集中的な降雨があります。舗装工事は基本的に降雨時は実施できないため、天候予測に基づいた工程管理が重要になります。
湿度が高い日には、アスファルト混合物の冷却速度が早くなり、施工可能時間が短縮されます。また、路面が濡れている状態では接着力が低下するため、十分な乾燥を待つ必要があります。

 

2. 冬季舗装工事の技術的制約と対応策

冬季の舗装工事では、低温による材料特性の変化と作業効率の低下が主要な技術的課題となります。これらの課題に対する具体的な対応策を理解することが、高品質な施工の実現につながります。

■ アスファルト混合物の温度管理

アスファルト舗装において、混合物の温度管理は品質に直結する最重要項目です。冬季施工では、製造から敷きならし完了までの各工程で温度低下を最小限に抑える対策が必要です。

工程
標準温度(度)
冬季対策
製造時
160~170
製造温度5~10度上昇
運搬時
150以上
保温シート使用
敷きならし開始
140以上
運搬距離短縮
締固め完了
110以上
転圧機械台数増加

「参照:日本道路協会」

混合物の運搬には保温シートを使用し、運搬距離を可能な限り短縮することで温度低下を抑制します。また、敷きならし作業は気温が最も高くなる日中の時間帯に集中して実施し、効率的な転圧作業により品質を確保します。

■ コンクリート舗装の養生対策

コンクリート舗装では、硬化期間中の温度管理が強度発現に大きく影響します。静岡県の冬季では、夜間の気温低下により硬化速度が遅くなるため、適切な養生対策が不可欠です。

 

重要なポイント
コンクリート舗装の初期養生では、打設後24時間は5度以上の温度を保つ必要があります。静岡県では保温マットや仮設テントの使用により、適切な養生環境を確保しています。

 

 

3. 冬季施工における安全管理と品質確保

冬季の舗装工事では、低温による作業環境の悪化と材料特性の変化により、通常時よりも厳格な安全管理と品質管理が求められます。

■ 作業員の安全対策

冬季は日照時間が短く、早朝や夕方の作業では視界が悪くなります。また、路面の凍結や霜による滑りやすい状況が発生するため、作業員の安全確保には特別な配慮が必要です。
防寒着の着用により作業効率は若干低下しますが、体温維持と安全確保を優先します。滑り止め機能付きの安全靴の着用、反射材付きの作業着による視認性向上、定期的な休憩による体調管理などを徹底しています。

 

安全対策項目
実施内容
効果
防寒対策
防寒着・手袋・帽子着用
体温維持・作業効率向上
滑り止め対策
滑り止め付き安全靴
転倒事故防止
視認性向上
反射材付き作業着
車両事故防止
健康管理
定期休憩・暖房設備
体調不良防止

「参照:厚生労働省」

 

■ 品質管理の強化ポイント

冬季施工では、温度管理を中心とした品質管理の強化が不可欠です。特に、材料温度の継続的な監視と、締固め度の確認頻度を増加させることで、品質の均一性を確保しています。
温度計による定期的な測定、コア抜き試験による密度確認、平坦性測定による仕上がり品質の検証など、通常時よりも詳細な品質管理を実施します。これにより、冬季施工であっても夏季と同等の品質を確保できます。
 

4. 静岡県内地域別の冬季施工注意点

静岡県は南北に長く、標高差も大きいため、同じ冬季でも地域によって気候条件が大きく異なります。それぞれの地域特性に応じた施工対策が必要です。

■ 山間部・高標高地域での対応

富士宮市、御殿場市、裾野市などの富士山麓地域や、川根本町、井川地区などの山間部では、平地部よりも気温が5~10度低くなります。これらの地域では、より厳格な温度管理と凍結対策が必要です。
標高500m以上の地域では、夜間に路面凍結が発生する可能性が高くなります。施工後の養生期間中は、凍結防止剤の散布や保温対策を継続的に実施し、品質確保に努めています。

■ 沿岸部での施工配慮

熱海市、伊東市、下田市などの伊豆半島沿岸部や、静岡市、焼津市、牧之原市などの駿河湾沿岸部では、海風の影響により体感温度が実際の気温よりも低くなります。

地域特性
沿岸部では塩害対策として、使用する材料の選定と、施工機械の防錆処理に特別な配慮が必要です。海風による材料温度の急激な低下を防ぐため、風向きを考慮した施工計画と、必要に応じて防風対策を実施しています。

沿岸部では湿度が高く、アスファルト混合物の冷却が早くなる傾向があります。そのため、運搬時間の短縮と敷きならし作業の迅速化により、品質低下を防いでいます。また、潮風による塩分の影響で、使用する機械の清掃とメンテナンスを頻繁に行い、設備の劣化を防止しています。
清水港周辺や焼津漁港周辺などの港湾地区では、重量車両の通行が多いため、より高い品質基準での施工が求められます。冬季でも夏季と同等の耐久性を確保するため、材料配合の調整と施工管理の強化を図っています。

地域分類
主要都市
冬季平均気温
特別対策
山間部
富士宮・御殿場
3~7度
凍結対策・保温強化
平地部
静岡・富士
8~12度
標準的温度管理
沿岸部
熱海・下田
9~13度
塩害・風害対策

「参照:静岡県庁」

 

適切な対策により冬季でも高品質な舗装工事を実現

静岡県における冬季の舗装工事は、適切な技術的対策と安全管理を実施することで、十分に実現可能です。温暖な気候に恵まれた静岡県では、他地域と比較して冬季施工の制約は少ないものの、品質確保のための配慮は欠かせません。
株式会社矢部工務店では、長年にわたる静岡県での施工実績により蓄積された技術とノウハウを活用し、冬季でも夏季と同等の品質を保った舗装工事を提供しております。気温や湿度、風向きなどの気象条件を詳細に分析し、最適な施工計画を立案いたします。
冬季の舗装工事をご検討の際は、地域特性を熟知し、豊富な施工経験を持つ専門業者にご相談いただくことが、成功の鍵となります。緊急性のある道路補修や、春の交通量増加に備えた事前整備など、冬季施工のメリットを最大限に活かした工事計画をご提案いたします。
天候条件や地域特性を考慮した最適な施工時期のアドバイスも含め、お客様のニーズに応じた柔軟な対応を心がけております。冬季の舗装工事に関するご質問やご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。


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